スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

過去記事のまとめ

これまでに約70の記事を掲載してきましたが、初めてブログをお訪ね頂いた皆さんにも読みやすいように、本文の第1条から第7条、また症例等の過去の記事をまとめてお伝えします。


このブログを読めば、腰痛に関する考え方が根本から変わります。
そして「腰痛は必ず治る。」と確信が持てます。

忍者

現在、日本には1000万人の腰痛患者がいると言われますが、その85%の方は整形外科や整体院を巡っても腰痛の原因すら解らず、数十年にわたって激しい腰痛に悩まされ続け、そればかりか全く必要のない手術を受けて人生を暗転させてしまう方も少なくありません。
医学が目覚ましい発達を遂げる中で、何故、腰痛は治らないのでしょうか?

それは、我が国おいては、身体が痛む原因を根本的に間違えているからです。
腰痛を起こす本当の原因を知れば、腰痛は簡単に治せるのです。

このブログを訪れられた皆さんは、ご自身やご家族が腰痛に悩んでおられる方が多いと思いますが、我が国では専門医すらも痛みを理解していないのですから、皆さん自身が、腰痛の本当の原因を知って、ご自身の身体を自ら守って行かなければならないのです。
このブログの最後には、タイプ別の腰痛の原因とこれを改善するための方法をお伝えします。
7箇条の全てを理解された皆さんは、必ず根深い腰痛から解放されることになります。

これからお伝えする予定の項目は、次のとおりです。
第1条 我が国の痛み治療の現状を知る。
第2条 痛みの常識の嘘を見抜く。
第3条 外科的診断に惑わされない。
第4条 痛みを知る。
第5条 痛みの原因「トリガーポイント」を知る。
第6条 ご自身の腰痛の原因(タイプ別)を知る。
第7条 セルフケアーを知る。



では、最初の一歩、第1条「我が国の痛み治療の現状を知る。」から始めましょう。


第1条 我が国の痛み治療の現状を知る。

国民の愁訴


上記は、厚生統計協会の調査報告「国民衛生の動向・厚生の指標(1987年~2025年)」です。
医療技術は日々目覚ましい発展を遂げており、本来ならば医療技術の進歩にともなって慢性痛患者は減少し続けている筈です。
しかし、日常生活や労働環境の機械化が進み、腰や肩への負担は減り続けているにも関わらず、調査結果によれば、人口1000名当たりの腰痛を訴える人の数(有訴者数)は、1986年の59 人から2025年の105人へと確実に増加し続けています。
これは、現代医学や整体等の代替医療が、腰痛や肩こり等の慢性痛に対応できていないことを示しています。

幾ら何でも、すべてが増えているのはおかしい!
何かが根本的に間違っていると思われませんか?

その通り、間違っているのです。
医学界では、「痛みの原因は、脊椎や腰椎などの筋骨格系の異常にある。」(損傷モデル)としていますが、それが根本的に間違っているのです。

腰痛のほとんどは、筋肉が起こす痛み、すなわち筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome:MPS)によるものであり、それが世界の常識です。


次項以降において、可能な限り客観的なデータに基づいて間違いを指摘しますが、
 そもそも、痛みを感じるセンサーのほとんどは筋肉や皮膚に存在しており、軟骨、骨本体、あるいは神経自体にはセンサーすら存在しません。
痛みを感じる主体は、物理的に「筋肉」でしかあり得ないのです。






第2条 痛みの常識の嘘を見抜く。
 第1条で「我が国の痛み治療の現状」を知られた皆さんには、次に「痛みの原因は、脊椎や腰椎などの筋骨格系の異常にある。」(損傷モデル)の誤りを論理的に理解して頂かねばなりません。
 皆さんが腰痛の改善に向けて、正しい一歩を踏み出されるためには、正しい常識を知って頂くことが不可欠なのです。
 以下、7回にわたって、「痛みの常識の嘘」をお伝えします。
 少し、面倒かも知れませんが、腰痛をなくすために是非ともチャレンジして下さい。

 2条の⑴ 腰痛は老化現象?
変性と年齢

 上表の緑の棒グラフは「椎間狭小」、オレンジの棒グラフは「骨棘形成」の保有者を年代別に表しています。
 棒グラフを見ると、年齢と共に骨の変性が増加しているのが、良く解ります。
 年齢と共に骨格には負荷がかかり、一部に変形が見られるのも自然なことでしょう。
 問題は、その骨の変性が腰痛の原因か否かということです。

 赤の折れ線グラフは「腰痛の初発年齢」、青の折れ線グラフは「腰痛の保有率」を年代別に表しています。
 腰痛を初めて経験した人も、現に腰痛を抱えている人も、30代がピークであり、それ以降は年齢とともに減少しています。
 すなわち、骨の変性は年齢とともに増加する老化現象と言えますが、腰痛は骨の変成とも老化とも全く無関係であることを示しているのです。

本来人間は機械ではありませんから、左右の骨盤の大きさが違ったり脚の長さが違ったりするのが自然であり、多少の変形が生じたとしても人の本来の機能を損なうことはありません。
腰が曲がった高齢の御婦人であっても、痛みもなく健康に仕事を続けておられます。

 これまでに腰痛は老化現象の一つとされてきた常識は誤っているのです。
 医師から「もう歳だから・・」、「腰も曲がって、骨もすり減っているから・・」と言われた方も多いでしょうが、腰痛と年齢や骨の変性は全く関係ありません。
 もう歳だからと諦める必要など何処にもありません、腰痛は治ります。




2条の⑵ 脊椎・骨盤の異常が腰痛の原因?

骨の変性

上表は、急性腰痛群、腰痛患者群、健常者群に区分して、脊椎・骨盤の異常を有する比率を調査したものです。
脊椎・骨盤の異常は、腰痛のない健常者にも、腰痛患者と同じ程度に存在していますし、青字で示した項目については却って健常者の数値が大きな値を示しています。
脊椎・骨盤の異常と腰痛の間には、何ら因果関係は認めらません。
これまでに脊椎や骨盤の異常が腰痛の原因とされてきた常識は誤っているのです。

皆さんの中には、医師から「脊椎が滑っているから腰痛が生じている。」と言われた方も多いでしょう。
しかし、そんな話は全くの嘘です、データがそれを示しています。
筋肉が緊張して骨盤を歪めることはあります、しかし、骨盤が歪んでいるから腰痛になるのではありません。
腰痛の原因は、筋肉にあるのです。
地震が起こればナマズが騒ぎます、それをナマズが騒いだから地震が起きると言うのと同じレベルのことです。
骨に多少の変性があっても全く気にしないで下さい。
腰痛は治ります。




2条の⑶ 椎間板ヘルニアが腰痛の原因?

椎間板の異常

上表は、以前にも見られたことがおありではないでしょうか。
腰痛のない健常者に見られるヘルニア及び椎間板変性の比率を表しています。
腰痛のない健常者の76%にヘルニアが見つかり、健常者の85%に椎間板変性が発見されています。
また、発見されたヘルニアや椎間板変性のタイプは、腰痛患者と腰痛のない健常者の間で差は全く認められません。

ヘルニアや椎間板に変性がない人の方が希であって、腰痛患者にヘルニアや椎間板変性が見つかったとしても、何一つ不思議なことでも異常なことでもなく当たり前のことです。
すなわち、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が腰痛の原因だとされてきた常識は間違っているのです。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されても気にする必要はありません。
腰痛は治ります。



(参考)
・「椎間板の変性は3歳の頃から見られ、腰痛のない10歳の子供の約9%に椎間板の異常が見つかる。」(Boos N et al,Spine,2002)
・「椎間板ヘルニアと痛みの関連性は不明確であり、手術の結果、明らかに一層悪化した人達が存在する。
世界的に椎間板ヘルニアの手術の割合は現在下がり続けており、この手術を熱烈に支持していたマイアミ大学 は今ではこの手術を止めている。」
 Patrick Wall(英国の世界的生理学者)
・ 「腰痛治療で腰椎固定術を選択した患者725人のうち、驚くことにこの64%は術後1年以上経過しても依然として休職のままであり、術後復職して1年間継続して勤務した人は僅か6%しかいなかった。」
米国の治療報告(2006年)

本当に?



2条の⑷ 骨盤の歪みが腰痛の原因?
健常者138名と発症後1年以内の腰痛患者144名を対象として、以下の骨盤の歪みを示す4項目を厳密に測定して、腰痛との関連を調査した結果が報告されています。
その調査の結果、骨盤の非対称性と腰痛とは、どのような臨床的意義においても関連がありませんでした。
① 立位と座位での両PSIS(骨盤の後面の指標)の傾き
② 立位での両ASIS(骨盤の前面の指標)の傾き
③ ASIS(骨盤の前面指標)からPSIS(骨盤の後面の指標)までの距離
④ 下肢長差
               (Levangie PK、Spine、1999年)

PSIS、ASIS

人間は機械ではなく生物である以上、身体に構造上の違いがあっても何も不思議なことではありません。
脚の長さの不均等は85%の人に見られますし、左右の骨盤の大きさが違う人も20~30%見られます。
骨盤が歪んでいると腰痛になるという常識も間違っているのです。
整体師から「骨盤が歪んでいるのが腰痛の原因です、骨盤のゆがみを直せば腰痛は消えますよ。」と言われた方も多いのではないでしょうか。
それが本当に正しいのでしょうか、その答えはデータが示しています。

もちろん、筋肉の緊張が骨盤をゆがめることもありますし、骨盤のゆがみがさらに他の筋肉の緊張を誘発することもあります。
でも、どうでしょうか、ヨットに立てたマストが傾いている時に、マストに力を加えて無理に傾きを直そうとするでしょうか。
いえ、マストを左右から引っ張っているロープを調整して自然に真っ直ぐ立つようにするでしょう。

同じように、筋肉を緩めることによって自然とあるべき姿に戻ります、骨盤に多少の歪みがあっても全く気にしないで下さい。
腰痛は治ります。




2条の⑸ 腰痛治療には安静が大事?

安静


上図は、 急性腰痛患者186名を対象に、2日間の安静臥床群、ストレッチ群、耐えられる範囲内で日常生活を続ける群の3つに無作為に割り付け、その後の経過を追跡調査した結果を示しています。
開始時はほぼ同じ段階からスタートしていますが、3週間後と12週間後のどの時点においても、最も回復が早かったのは日常生活群であり、最も回復が遅かったのは安静臥床群です。
すなわち腰痛は安静にして治す、あるいはコルセット等で固定して治すとされてきた常識は間違っているのです。

腰痛等の痛みの原因が骨格にあるとするから、安静にするという間違った発想が生まれるのです。
筋肉は使わなければ萎縮します、骨折の治療でギブスをしていると瞬く間に筋肉が萎縮して細く痩せ筋力が低下してしまうのをご存じでしょう。
椎間板は、動かすことによってスポンジが水を吸うように水分や影響分を吸収します。動かなければ水分や栄養分が吸収できずに柔軟性をなくしていきます。
関節内では関節軟骨がクッションや潤滑の働きをしていますが、関節が動くことによって関節軟骨に酸素や栄養物質がしみ込んでいきます。関節をギプスなどで長期間固定すれば、関節軟骨に酸素や栄養物質が供給されずに萎縮してしまいます。
筋肉も関節も動かさなければ萎縮し、必要な機能が低下してしまうのです。

できる限り、普段通りの生活を送りながら、腰痛を治していけるのです。
これはぎっくり腰についても同様であり、ぎっくり腰の直後は動けないから動かさないのであって、少しでも動けるようになったら、動ける範囲で動く方が改善の近道です。



2条の⑹ 腰痛治療には筋力強化が必要?
筋力強化と腰痛の関係については、残念ながら客観的データをもって示すことができません。何か客観的データをお持ちの方がおられれば、是非ご紹介頂きたいと思います。 
しかし、段階的かつ適切に強化された筋肉は、負荷に強く問題を起こし難いし、逆に障害のある筋肉を鍛えようとすれば却って悪化することは、スポーツや肉体労働に従事するものにとっては極めて常識的な感覚です。
逆に、筋肉の障害を取り除けば、痛みは解消し柔軟性や筋力は自然に且つ速やかに回復するものです。

脊椎や腰椎などの筋骨格系の異常が痛みの原因だと間違って認識しているからこそ、脊椎や腰椎を支えるために周辺の筋力を強化する必要があると考えがちですが、痛みの原因そのものが筋肉にある訳ですから、その考え方は最初から間違っています。
筋肉が、過度の負荷、持続的な酷使、同じ姿勢の継続などによって障害を受けて腰痛を発症しているのですから、その障害が回復する以前に筋肉に更に過度の負荷をかけて良い訳がありません。
筋肉強化は,腰痛の予防や健康維持には有益ですが、筋肉を鍛えれば腰痛が治るという常識もまた間違っているのです。
腹筋2
腰痛でお悩みの方は、決して誤った筋トレをされないようにして下さい。
障害のある筋肉を緩めれば腰痛は治りますし、柔軟性や筋力も速やかに回復します。
障害が治まってから、腰痛が再発しない身体を手に入れるために、無理のない筋力強化トレーニングを始めれば良いのです。
安静にするのではなく、可動範囲を無理なく動かす運動は続けた方が良いのですが、筋トレをしなくとも、腰痛は治ります。



2条の⑺ 画像診断で腰痛の原因が解る?
現代医学は目覚ましい進歩を遂げ、CTスキャン(コンピュータ断層撮影法)や MRI(核磁気共鳴画像診断法)といった画像診断技術が開発されてきています。
しかし、筋骨格系疾患の85%以上は、症状と画像診断から得られる所見が一致しないため明確な診断を下すことができないのが実情です。
MRI
ヨーロッパで2004年に出された腰痛治療のガイドラインでは、「よほど重度の病気があるような腰痛でない限り、 むやみに画像をとってはならない。」と提唱しています。
画像診断では腰痛の原因は解らないから、癌に侵されているような重度の病気を除いて、無用な画像診断を撮って患者を不安にさせてはならないということです。  

また、日本整形外科学会と日本腰痛学会の2014年12月に診療ガイドライン(指針)をまとめましたが、「腰痛患者に対してX線撮影を全例に行うことは必ずしも必要ではない(GradeA)」と慎重な表現ではありますが、画像検査の結果を腰痛の原因にしてきたことの誤りを認めているのです。

腰痛ガイドライン

また、指針の策定委員会のメンバーである福島県立医大の矢吹省司教授(整形外科)は、「現状では約8割で画像検査をするが、痛むからといって、画像で原因が分かることは実は多くない。単に加齢で起きている骨や神経の変化を画像で患者に示して『だから状態が悪いんだ。』と思い込ませるのは逆効果だ。」と指摘しています。

本来であれば、医学の倫理として、画像検査の結果をもって腰痛の原因とし手術をしてきたことは間違いであったと明確に認めるべきではないでしょうか。
画像診断で腰痛の原因が解るという常識も間違っているのです。
(参考)
・ 5つの職種を対象に、一年間にわたって腰部をMRIで繰り返し撮影した結果、椎間板異常と腰痛や職種との関連性はなかった。調査期間中に13名が腰痛を発症したが、MRI所見に変化もなかった。
               (Savage RA et al, Eur Spine J, 1997)
・ 672件の体系的レビューによって、画像所見と腰痛の間に関連性は認められない。
               (Boos N & Lander PH, Eur Spine J, 1997)  
画像診断で多少の骨の変性があっても恐れないで下さい、腰痛の本当の原因はそんなところににはありません。
腰痛は治るのです。



第3条 外科的診断に惑わされない。
第2条で「脊椎や腰椎など、筋骨格系の異常が痛みの原因である」(損傷モデル)の誤りを指摘してきましたが、次にはその誤りに基づいた外科的診断を正しく評価して頂く必要があります。  
次の光景は一般的に見られるものでしょうし、腰痛のお悩みの皆さんにも多かれ少なかれ経験がおありのことではないでしょうか。
診断
腰に痛みを感じて受診すると、「どうも背骨に問題があるようだ、おそらく椎間板ヘルニアだろう。」と告げられます。
構造的な脊椎の異常が直接の原因だと告げられるのは、痛みは今後も継続すると宣告されたようなもの、「脊椎に負担をかけないように、安静にして横になっているように。」と言われると、重症に違いないと思い込み、痛みは悪化します。
安静にすることによって却って痛みは増すばかり、意を決してMRIを受けることになります。

その結果、腰椎に当たり前のように椎間板ヘルニアが見つかるばかりか、「椎間板が潰れて椎体同士が擦れあっている。」などとまで言われ、震え上がってしまう。
患者は、自らの椎骨の変形を示す映像に衝撃を受け、脊椎に異常があるのだから一生治らないのだと思い込み、理由のない不安に苛まれ、ストレスと不適切な措置のために根深い慢性痛を抱え込んでしまう。

それが事実であるならば、腰の曲がった老人は歩くことさえ不可能な筈なのに、私たちには多かれ少なかれこうした誤った感覚が擦り込まれています。

前条までの論理的・実証的なデータは嘘を付きません、皆さんには一度は既成概念の枠を離れて頂き、ご自身の眼で何が正しいのかを判断してみて下さい。
間違った外科的診断に惑わされないで下さい。
腰痛の原因は構造的な欠陥にあるのではなく、ほとんどの場合には筋肉の障害やストレスが原因であり、適切な治療と患者自身のセルフケアーによって必ず治るのです。





第4条 痛みを知る
第2条 「痛みの常識の嘘を見抜く。」において、痛みが誤解されていることを理解頂けたと思います。
では、何故、痛みはこれほどまでに誤解されて来たのでしょうか。
私たちはどのように痛みを感じるのかを簡単にお伝えした上で、痛みが誤解されてきた根本的な原因をお話したいと思います。



4条の⑴ 痛みは何処で生じるのか?
刃物等で怪我をした場合に痛みを感じますが、刃物等が神経を刺激して痛みを起こしているのではありません。
組織が壊れることによって様々な発痛物質が生成され、神経末端にある受容体と結合することで痛みを起こします。
受容体で捉えられた痛みは、侵害受容器で電気信号に変換されてから脳に送られ、痛みとして認識されることになります。
痛みを捉える受容体のほとんどは筋肉にあります。
他方、骨本体、軟骨、毛、爪、神経自体には受容体はなく損傷したとしても痛みは感じません。

例えば、椎間板は年齢とともに減少しますが、受容体自体が存在しないのですから痛みを感じることはありません。
座骨神経痛、肋間神経痛など神経痛という言葉がありますが、 神経自体には受容体はなく神経の途中で痛みを感じることはありません。
同じように、関節内の軟骨がすり減っても、軟骨には受容体がありませんから痛みを感じることができません。
痛みの説明1
そして、皮膚の痛みによる中枢神経の興奮はすぐに鎮まるのに対して、筋肉の痛みによる中枢神経の興奮は10倍を遙かに越えて長引き慢性化し易い>のです。
  筋肉の痛みに着目しない痛み治療などは有り得ないのです。



4条の⑵ 神経を圧迫したら痛みを生じるか?
受容体で捉えられた痛みは、電気信号として脳に伝達されるとお話ししました。
簡単に言えば、電線によって電気信号が伝達されていると考えれば良いのですが、電気スタンドのコードを圧迫あるいは切断したらどうなるでしょうか。
コードを圧迫あるいは切断することによって、電気スタンドの明かりが消えることがあっても、電気スタンドに明かりが灯ることはあり得ません。
同じように、神経を圧迫あるいは切断したとしても、感覚が消失することはあっても神経細胞の途中で痛みが発生し感知されることはあり得ないのです。
椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されても、腰や臀部や脚に痛みが生じること自体があり得ないし、そもそもヘルニアは神経よりも柔らかいのですから果たして圧迫自体が起こるか否かも疑問です。
神経は非常に強いものですから、全体重をかけたり高いところから飛び降りても、足の裏にある神経を圧迫して痛みを生じたという経験はない筈です。

脊柱から神経がでる部分を神経根といい、神経根が椎間板等によって腹側から圧迫されると椎間板ヘルニア、神経根が骨によって背側から圧迫されると脊柱管狭窄症、座骨神経が圧迫されると座骨神経痛、これらの「圧迫」によって痛みを生じると一般的に説明されていますが、おかしいと思われませんか?

神経を圧迫しても痛みは生じない、生理学的に見ればごく当たり前の簡単な理屈が理解されていないために、本来腰痛とは関係のない椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症や座骨神経痛が腰痛の犯人にされ、第3条「痛みの常識の嘘を見抜く。」でお話したように、誤った常識を連発しているのです。
痛みの説明2

(参考)
「正座をすると脚が痺れたり痛んだりするではないか。」と疑問を持たれるかも知れませんが、それは神経を圧迫するからではありません。
正座することによっ神経に栄養を送っている血管が圧迫され、神経細胞に血液を送ることができなくなります。これによって、神経細胞のエネルギー源であるATPの合成が妨げられ、電流の発生が抑制され、感覚が消失するのです。
正座から立ち上がると、神経細胞に再び血液が送られATPを合成できるようになりますが、通常の状態に短時間で戻そうとして神経細胞が異常興奮を起こし、一時的にしびれや痛みを発生します。
つまり、血流が滞ることによって一時的に痺れや痛みを感じているのであって、神経を圧迫することによって神経細胞の途中で痛みを感知しているのではありません。



4条の⑶ 関連痛の不思議
心臓等の内臓からの痛み信号が離れた皮膚の痛みとして感じられることがあり、これを関連痛といいます。
この原因は、内臓からの情報と皮膚からの情報が脊髄中の同じニューロンに入っている場合が多く、それらの情報が一緒に脳に伝えらることにあると考えられています。
脳では、信号の質ではなく経路によって痛みの部位を判別しており、心臓が悪くても腕や胸が痛い、胃が悪くても背中が痛いという症候を呈することになります。

痛みの大部分は筋肉が起こしていますが、筋肉も同様に様々な部位に関連痛を起こします。
腰痛であっても、その原因は腰にあるのではなく、実際に障害を受けている腹部等の筋肉の関連痛である場合が多く、痛む部位を手当てしても痛みは消えません。

このように筋肉の起こす痛みが理解されない上に、痛いところに痛みの原因はないことから痛みの原因を見出すことができず、画像検査で確認された微々たる個人差を痛みの犯人にしてしまう。
これが、痛みに関する誤った常識を生み出す大きな原因になっているのです。
痛みの説明3

この後で紹介する「トリガーポイント・マニュアル」では、この関連痛が正確かつ詳細に分析されており、本当の痛みの原因を特定することができます。
我が国には、整形外科や神経外科はあるのに筋肉科はありません。
このことが、筋肉の起こす痛みを正しく理解できず、痛み治療が効果を上げることができない根本的な原因であるのかも知れません。



第5条 痛みの原因「トリガーポイント」を知る。
  第4条までをご覧頂いた皆さんは、「腰痛の原因が筋肉にあるらしい。」とご理解頂いたのではないでしょうか。
 第5条では、筋痛の原因である「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」、いわゆる「トリガーポイント」をご紹介します。
 これをお知り頂いた皆さんは、ご自身の腰痛の原因が解って安心されるでしょうし、腰痛は必ず治ると確信を持ち、腰痛の改善方法を理解されることでしょう。
難しいことも多いかも知れませんが、もう少し頑張って読み進めて下さい。

5条の⑴ 現代医学から取り残されてきた「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」
1983年、米国のケネディとジョンソン大統領の主治医で勤めた
Janet G.Travell(1901-1997)と航空宇宙医師David G.Simons(1922-)は、共著『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』を発表し、身体的には、「トリガーポイント」による「筋痛」が痛みの95%を占め、残りの5%は「骨折」「ガン」「感染症」などによる痛みであるとして、これを筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome:MPS)と名付けました。

マニュアル
当時はトリガーポイントの発生原因が科学的に実証されていないこともあって、医学界は、構造的アプローチ「痛みの原因は骨や関節の異常説」の立場に固執して、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)が筋骨格系の痛みのほとんどを占めるにも関わらず真剣に取り組んできませんでした。
しかし、現在は、筋電図や超音波画像によってトリガーポイントが客観的に確認され、関連痛パターンも把握されてきたため、トリガーポイント治療は徐々に広がりを見せるとともに治療効果は飛躍的に向上しつつあります。


(参考)
※ ペインクリニックで診断される症状のうち93%の痛みがトリガーポイントに関連しており、85%の痛みがトリガーポイントだけに起因している。(1999年:Genin、1995年:Fishbain)
※ ケネディ大統領は、トラベル女医に出会う以前に、腰の椎間板ヘルニアの手術をしたが改善せず、続いて固定術を行なったが症状は一層悪化しました。その後ケネディ大統領はトラベル女医の診療を受け、トリガーポイントブロックの治療と助言によって症状が顕著に改善され人生を変えることができたのです。
トラベル女医は、「彼の痛みの原因は、脊椎もしくは椎問板にあるのではなく、以前からの背中の筋肉の衰弱が引き起こす一種の慢性スパズムにある。」とケネディ大統領の症状を診断しましたが、ケネディ大統領はまさしく筋筋膜性疼痛症候群(MPS)であったのです。



5条の⑵ トリガーポイントとは?
『Myofascial Pain Dysfunction The Trigger Point Manual』には、トリガーポインは、押圧すると鋭い痛みを感じる筋肉内の小さな「しこり」であり、細いコードのような半硬直状態の筋肉線維の帯(索状硬結)の中に存在していると定義されている。
その「しこり」が弾きがねとなって、身体の様々な部位に痛みを起こすことから、トリガー(引き金)ポイントと呼ばれています。

触診すると、トリガーポイントの大きさは米粒からビンの頭ぐらいまで様々であり、大臀筋のような大きな筋では親指の頭ほどになり、筋肉によっては弾力のあるゼリー状の小さな塊に感じられることもあります。
トリガーポイントは、関連痛を起こす程に活性化したものであっても、痛みを起こす段階には至っていない潜在的なものであっても、押すと例外なく痛みを生じます。
また、トリガーポイントが生じると、その筋肉を緊張させることによって可動範囲を制限し、力を発揮できないようになります。
皆さんも身体の何処かに押すと鋭く痛む「しこり」を発見されることはないでしょうか?
それがトリガーポイントです。
トリガーポイント構造
このトリガーポイントは理論上の話ではなく、筋電図、超音波画像、サーモグラフ等によって実際的かつ客観的に証明されています。
そして、近年は治療法も飛躍的な発達を遂げ、慢性痛の治療に極めて優れた効果を発揮しており「ためしてガッテン」等のメディアでも取り上げられています。
ガッテン



5条の⑶ トリガーポイントの発生と悪循環
筋肉は繊細な筋繊維の集合体であり、外傷や過度の負担等によって容易に微小な損傷が生じます。
筋繊維の損傷が起きると交感神経が優位となり、血管が収縮し血流が減少、老廃物が蓄積されるとともにエネルギー源であるATPが不足、ブラジキニン等の発痛物質を作り出し、筋肉が拘縮します。
筋肉の拘縮は、通常は数日の内に消えますが、強いストレスに長時間晒されるなどによって、上記の悪循環が進行しトリガーポイントが形成されます。
循環


トリガーポイントが一度形成されると、痛みの電気信号が継続的に脳に送られ、それがストレスとなって交感神経優位の状態が継続することになり、トリガーポイントが次々と発生して痛み等の悪化や拡大を招き、難治性の慢性痛を抱え込むことになってしまいます。

痛みが痛みを作り出し連鎖していく、その連鎖の要がトリガーポイントであり、その連鎖を断ち切る要がトリガーポイント療法です。
痛みが慢性化する前に、出来るだけ早期にトリガーポイントを発見して治療し、悪循環を絶つことが重要です。



5条の⑷ トリガーポイントと関連痛
トリガーポイントの最大の特徴は、かなり予測が可能なパターンで身体の各部に関連痛と言われる痛みを送ることです。
関連痛が起こる原因は、内臓の欠陥が皮膚等に関連痛を起こすのと同様に、神経伝達経路の錯誤によるものと考えられています。
トリガーポイントによる関連痛は、一般には激しい深部痛を伴い、動くことによって激化することもあり、痛みのレベルは筋の大きさよりもトリガーポイントの過敏性に影響されます。

痛みの原因となるトリガーポイントと関連痛の状況から解るように、痛むところを手当しても症状は改善しません。
 痛みの根本的な原因であるトリガーポイントを解消して、初めて辛い症状を改善することができます。
 現在の医学界や整体などに筋肉の起こす痛みに関する認識がなく、根本的な原因の治療をしていないことが、慢性痛の治療に決定的な混乱と大きな不幸を招いているのです。
斜角筋



5条の⑸ トリガーポイントと多様な症状
トリガーポイントは、関連痛を起こすと同時に身体の至るところに影響を及ぼし、次に示すような頭痛やめまいなど多様な症状を呈します。
その結果、座骨神経痛などと誤診されることも多いのです。

また、腹部のトリガーポイントを沈静化させることによって、辛い生理痛がなくなったり、頻尿がおさまったりすることも珍しいことではありません。


※ 多様な症状
• しびれ感(ジンジンする、ピリピリするなど)
• 感覚の麻痺、感覚の異常(味覚、聴覚、触覚、視覚など)
• 痛覚過敏
• 平衡障害、めまい、耳鳴り
• 足腰の冷え、手先足先の冷え、発汗異常(汗をかきやすい、かきにくい)
• 筋力低下、関節の可動域制限
• 皮膚の異常(湿疹、シミ、ツッパリ、脱毛、ピーンと張った皮膚)
• 爪の異常(割れやすい、硬化、肥厚)
• 静脈瘤、むくみ
• 不定愁訴(自律神経失調症状)
・ 吐き気、食欲不振、摂食障害、膨満感、慢性の下痢、頻尿、生理痛
• 全身性の疲労、眼精疲労、睡眠障害
• 気分の落ち込み、感情の乱れ
 
※ 誤診されている可能性がある疾患
・ 座骨神経痛  ⇒ 小臀筋のトリガーポイント
• 狭心症    ⇒ 斜角筋、大胸筋などのトリガーポイント
• 不整脈    ⇒ 右の大胸筋のトリガーポイント
• 虫垂炎    ⇒ 小腰筋のトリガーポイント
• 頻尿・残尿感 ⇒ 下腹部 諸筋のトリガーポイント
• 耳鳴り    ⇒ 咬筋のトリガーポイント
• 難 聴    ⇒ 胸鎖乳突筋のトリガーポイント



5条の⑹ トリガーポイントの連鎖と慢性化
トリガーポイントを放置しておくと、関連痛域を緊張させることによって当該部位に新たなトリガーポイントを生じさせ、筋から筋へと緊張が連鎖する結果、慢性痛を複雑かつ長引かせることになります。

  下の図は、腹部の筋肉に生じたトリガーポイントが腰痛を起こし、それが腰部続いて臀部へと連鎖的にトリガーポイントを誘発し 脚の痛みや痺れ起こす様子を示しています。
  結果として、腹部の筋肉に生じたトリガーポイントが起点となって座骨神経痛の症状を起こし、誤診を招いてしまうことにもなります。
  実際に座骨神経痛と診断されている患者の多くに見られる形です。

慢性痛の治療には、こうしたトリガーポイントの連鎖を突きとめて、早い時期にキーとなるトリガーポイントを取り除くことが決定的に重要です。
連鎖



5条の⑺ トリガーポイントの治療法
トリガーポイントを解消することによって腰痛を治せることを理解頂けたものと思います。
6条以降では、ご自身でトリガーポイントを解消する方法をお伝えしていきますが、その前に、話を聞くよりも実際にトリガーポイント治療を受けてみたいと考える読者もおられるでしょうから、幅広く選択肢を提供する観点からトリガーポイントの治療法の概要についてお話ししたいと思います。

◯ 手技による療法
虚血圧迫、PIR、カウンターストレイン、筋膜リリース等の手技によって、トリガーポイントを沈静化させるものであり、神経や骨格を圧迫することのない安心かつ安全な療法です。
有能な治療家がいることを前提にすれば、最もお薦めできる療法です。
ただし、通常のマッサージをしながらトリガーポイント療法と謳っている偽物整体院も多く存在しますので、ここでは600㌻に及ぶマニュアル(下に例示)に基づく確実な施術と百数十種類のセルフケアー(下に例示)を行っており、技術や人柄を知った上でお薦めできる整体院のみを紹介致します。
マニュアル飛狸名前入り
セルフ修正名前入り
細部はそれぞれのホームページ等をご覧下さい。

ひじりボディーケアー(トリガーポイント療法研究会会員)
〒340-0002 埼玉県草加市青柳5-22-28スーパーベルクス2F
フリーダイヤル 0120-358-760

    
みゆう筋整術院(トリガーポイント療法研究会技術提携)
〒306-0114 茨城県古河市山田317-9 タカハシハイツ103号室
電話0280-23-2881

また、トリガーポイント研究所の佐藤恒士所長は、トリガーポイント・セラピストまたインストラクターとして第一人者であり、同ホームページに紹介されている整体院等は評価できると考えますので参考にして頂きたいと思います。
トリガーポイント研究所 

◯ ストレッチ
罹患筋を優しく伸ばすことによって、筋の緊張が緩和し血流が良くなり、痛みも楽になります。しかし、筋肉を不用意に伸ばすと「ストレッチ反射」によって逆に筋が縮み、トリガーポイントを悪化させることにもなります。
トラベル博士は、ストレッチによってトリガーポイントを悪化させないために、冷却スプレーを罹患筋に当ててストレッチ反射を防ぎながら伸展させる方法を採用していました。
これからも解るように、一般的にはストレッチによってトリガーポイントを沈静化するのは難しく、悪化させてしまう場合も多いようです。
トリガーポイント治療に関しては、スポーツの際のストレッチのように単に引き延ばすだけのストレッチをしている整体院等は避けた方が賢明です。
また、腰痛が発症している最中に、腹筋運動など、トリガーポイントが生じている筋肉のトレーニングを薦める整体院等についても、トリガーポイントを理解しているとは到底考えられません。
皆さんもトリガーポイントが生じている筋肉のストレッチは、通常のストレッチとは違って慎重な配慮が必要であることを忘れないで頂きたいと思います。

◯ 局所麻酔注射(トリガーポイント・ブロック注射)
トリガーポイントにマーカインやキシロカインなどの局所麻酔薬を注射器で直接投与し、マッサージをする治療法であり効果的だと言われています。
ただし、トリガーポイントが豆粒より大きなことは希であり、トリガーポイントの位置を捉えて皮下注射を行うには高度の技術を要しますので、経験の深い整形外科等を厳選されるのが賢明でしょう。
「トリガーポイントブロックで腰痛は治る。」医学博士 加茂淳(風雲舎)には、トリガーポイントブロックによる治療について詳細に述べられていますので、この治療を希望される方は是非一読されることをお薦めします。
加茂整形外科医院

◯ 鍼治療
東洋医学の鍼治療をトリガーポイントに適用する治療法であり効果的だと言われていますが、経験に大きく左右されるとももに深部のトリガーポイントの位置を局限してトリガーポイントに正確に鍼を刺すのは高度の技術を要しますので、経験の深い治療院を厳選されるのが賢明でしょう。
また、従来の鍼治療を行っているに過ぎないのに、トリガーポイント治療の看板を掲げ混乱を招いている治療院も少なくありませんので注意が必要です。



第6条 ご自身の腰痛の原因(タイプ別)を知る。
第5条までをお読み頂いた皆さんは、我が国の痛い治療が根本的に方向を誤っていること、筋肉が起こす痛みに対応しなければ腰痛を解消できないことを理解頂けたものと思います。

本条では、皆さんが抱えておられる腰痛の原因(タイプ別)をお伝えします。
腰痛と言っても、その部分に関連痛を送る可能性のある筋肉(トリガーポイント)は一つではありませんし、複数の筋肉(トリガーポイント)が同時に関連痛を送っている場合もあります。
また、その部分に関連痛を送る筋肉が特定されたとしても、それは蛇口の栓であって連鎖の起点となっている水源の栓も特定して治療する必要があるかも知れません。
さらに、皆さんが抱えておられる腰痛のほとんどは、これからお伝えする8つのタイプに含まれますが、腰痛を起こすトリガーポイントは他に幾つもあり、いずれかのタイプに当てはまらなくても改善ができないというものではありません。
ご自身の腰痛のタイプを考えられる際には、一つのタイプに固執することなく、一度は幅広く捉えて頂きたいと思います。

では、腰痛の基本的な8タイプ(腸腰筋タイプ、腹直筋タイプ、腰方形筋タイプ、梨状筋タイプ、中臀筋タイプ、小臀筋タイプ、深部脊柱起立筋タイプ、脊柱起立筋タイプ)について順次お伝え致します。
皆さんがお悩みの腰痛は、どのタイプでしょうか。
まずは、ご自身の痛みと各タイプの関連痛を比較して頂き、その他の症状を当てはめてみて下さい。

イラストの×印はトリガーポイントが生じる代表的な位置を、赤色は関連痛を示しており、濃い赤色はほとんどの場合に痛みを生じる部位、まばらな赤色は時に痛みを生じる部位を示しています。





6条⑴ 腸腰筋タイプ
いよいよ皆さんご自身の腰痛のタイプをお伝えします。まず最初は腸腰筋タイプです。

腰痛の原因の半分以上は、腸腰筋や腹直筋などのお腹の筋肉のトリガーポイントです。
したがって、お腹の触診あるいは施術をしない腰痛治療は絶対にあり得ません。
もし、皆さんが腰痛の治療に行かれて、お腹に配慮しない整形外科や整体院等があるとするならば、そこに通うのは全くの無駄だと言っていいでしょう、腰痛の基本さえ解ってはいません。

その中でも、腸腰筋は、腰痛を引き起こす最も代表的な筋肉であり、最初にトリガーポイントが生じて連鎖の起点となる可能性が最も高い筋肉でもあります。

腸腰筋は、脚を引き上げる働きをしますが、四足の動物ではそれほど大きな筋肉ではなく、人間が二本脚で立ち上がり、強い力で足を持ち上げる必要が生じた時から障害を受けやすい運命にあったのかも知れません。
トリガーポイントを生じることが実に多く、姿勢に大きな影響を及ぼし、いわゆる猫背や背中の痛みや肩凝りなどの根本的な原因ともなります。
どのような症状であっても、基本的に配慮する筋肉です。
  
腸腰筋に生じたトリガーポイントは、イラストに示すように、主として腰椎の際に縦に広がるような痛みを起こします。
左右の筋肉にトリガーポイントが生じている場合には、腰部全体に広がる痛みに感じられます。
次の症状が見られる場合には、腸腰筋にトリガーポイントが見つかる可能性が高いでしょう。
前に屈む時、立ち上がり時、寝ている時に痛む。
脚が挙がりにくい。
朝起きるときに股関節・鼠径部に痛みがあり真っ直ぐ立てない。
(この症状は、顕著に現れやすい。)
椅子に深く座った状態からの立ち上がるのが困難である。
前屈みの姿勢で歩く。


雑草取りのようなしゃがんだ姿勢を続けた後に急性の腰痛を感じるような場合は、まず腸腰筋が原因です。
長距離のドライバーなど、長時間深い椅子に腰かけている人は障害を受けやすく要注意です。
腸腰筋
(触診)
主なトリガーポイントは、臍のやや下の両側約5 cmほど外方の深部にあります。
臍の脇10㎝ほどの部位(腹直筋の外縁部)を押し下げ、次に弛緩させた腹筋の下を背骨に向けて押圧すると強い痛みを感じます。(左の図)
また、腸骨稜(骨盤の上辺)から足先の方向に約2.5㎝下がった骨盤の内側にあります。(中央の図)
これらの筋肉の触診は難しいので、左又は中央の図のようにご家族・友人に指で優しく押して貰うのがよいでしょう。
また、麺棒等を使用して自分で押しても解りやすいでしょう。(右の図)
腸腰筋触診(矢印)2
トリガーポイントのない人は、通常痛みを感じることはありません。
強い痛みを感じる場合にはトリガーポイントがあり、腰痛の原因となっている可能性があります。



6条⑵腹直筋タイプ
前項でお伝えした腸腰筋と並んで腰痛の原因となる代表的の筋肉であり、一般的に「腹筋」と言われる筋肉です。

主に、腹直筋上部に生じたトリガーポイントは肩甲骨下部の背部痛、下腹部に生じたトリガーポイントは骨盤の縁に沿った水平に広がるような痛みを起こします。
次の症状が見られる場合には、腹直筋にトリガーポイントが見つかる可能性が高いでしょう。
立った状態や座った状態で、後ろに背を反らせた時に痛む。
(最も顕著に現れやすい。)
寝た状態から起き上がる時や寝返りを打つときに痛む。
腹筋が弱くなったと感じる。

また、内科系、婦人科系疾患に似た多様な症状を引き起こします。
症状の出現頻度は、痛み71%、圧迫感・膨満感25%、胸焼け11%、嘔吐11%、下痢4%であり、排尿不全や月経不全、生理痛なども引き起こします。
大きくなったお子さんの夜尿症を叱る前に、腹筋を確認して上げて下さい。  
腹直筋
(触診)
左の図のようにご家族・友人に指で押して貰うか、右の図ように手で拳を作って、お腹の筋肉を両側から強く押した時に痛みが生じます。
肋骨周辺から恥骨上辺までをくまなく触診してみて下さい。
また、腹筋にトリガーポイントが生じている場合には、筋肉が緊張するために、多くの場合には、肋骨の下部や恥骨の上辺を押すと痛みを伴います。
腹直筋触診2
腹筋は強い筋肉であり、通常は痛みを伴いません。
痛みが生じる場合には、トリガーポイントがあり、腰痛の原因となっている可能性があります。




6条⑶ 腰方形筋タイプ
腰方形筋は、腰椎・骨盤を安定させ、姿勢を維持する働きをする筋肉です。
腰方形筋に生じたトリガーポイントは、主として腰の側面や臀部に痛みを起こし、通常は深く疼くような痛みですが、咳やくしゃみで短く激しい痛みを起こすことがあります。
次の症状が見られる場合には、腰方形筋にトリガーポイントが見つかる可能性が高いでしょう。
直立姿勢で体重を支えるのが辛い。(重症では四つん這いになる)
立位で痛み、手で支えなければ姿勢を保てない。
腰椎の安定を必要とする坐位や立位で極度に痛む。
前に屈む、椅子から立ち上がる、側屈する、身体をねじる、階段の登る等の動作が困難である。
咳やくしゃみが苦痛である。
腰の鈍重感、ふくらはぎの痙攣、下腿、足裏の灼熱感を覚える。

腰方形筋
(触診)
腰方形筋は、最下部の肋骨と骨盤の間、背中を縦に走る背筋の腹側に位置しており、背筋の縁辺部を斜め前方(お臍の方向)に押圧すると強い痛みが生じます。
下の図のように、ご家族・友人に背筋の縁辺部を指で強めにお臍に向かって押して貰うのがよいでしょう。
また、仰向けに寝て公式のテニスボール等を腰方形筋の下に置き、体重をかけて押し当ててみると良いでしょう。
この筋肉を的確に捉えるのは難しいですから、くまなく押してみる積りで行って下さい。
腰方形筋触診
トリガーポイントのない人は、通常強い痛みを感じることはありません。
強い痛みを感じる場合にはトリガーポイントがあり、腰痛の原因となっている可能性があります。




6条⑷ 梨状筋タイプ
  梨状筋は、足指を外側に向けるように大腿骨を回旋させる働きをする筋肉です。
梨状筋に生じたトリガーポイントは、図に示すように仙骨の脇、股関節の後、臀部全体に痛みを起こし、時には大腿部後面からふくらはぎに至ることがあります。
臀部の痛みには複数の筋肉が関与していること多いのですが、多くの場合に梨状筋が関与しており、特に女性が障害を受ける確率は男性の6倍に及びます。
座つた状態から立ち上がる時、立っている時に痛むことが多くあります。

女性の性機能障害及び性交不快症、男性のEDを起こすこともあります。
  また、一般的には梨状筋症候群と言われますが、短縮した梨状筋が血管を圧迫し血流を阻害することによって、下背部、鼠径部、会陰部、臀部、足にかけて、知覚異常(痺れ、刺痛、灼熱感、過敏症など)を起こすことがあります。
梨状筋
(触診)
梨状筋のトリガーポイントは、下図のように仙骨の中央部付近の脇を押圧すれば良いのですが、大殿筋の厚さで隠れるため、非常に集中して深く侵入する必要があります。
触診は難しく指で押した場合に痛めることもありますので、下図のように、ご家族・友人に麺棒等で周辺をくまなく優しく押して貰うのがよいでしょう。
梨状筋触診麺棒
深部に強い痛みを感じる場合にはトリガーポイントがあり、腰痛の原因となっている可能性があります。




6条⑸ 中臀筋タイプ
中臀筋は、主として脚を外側に開く働きをする筋肉です。
中臀筋に生じたトリガーポイントは、仙骨から臀部にかけて痛みを起こします。
腰痛患者の多くに見られますが、比較的手当をし易い筋肉でもあります。
痛みはトリガーポイントの近くに限定して拡散し、後にもたれて座ると体重がトリガーポイントを圧迫するために苦痛を感じる、また、患部を下にして眠れないことがあります。
中臀筋
(触診)
中臀筋は、上記のイラストを参考にして、トリガーポイントの位置を身体の中心に向けて強く押すと痛みが生じます。
下図のように、ご家族・友人に指か麺棒等で周辺をくまなく優しく押して貰うのがよいでしょう。
また、仰向けに寝て硬式テニスボール等を腰の下に置き、体重をかけて押し当ててみると良いでしょう。
(下の図では、施術者の左手親指が大腿の付け根付近で最も骨が側面に突き出している部分(大腿骨頭)に当てられていますので、触診の時の参考にして下さい。)
中臀筋触診
トリガーポイントのない人は、通常強い痛みを感じることはありません。
強い痛みを感じる場合にはトリガーポイントがあり、腰痛の原因となっている可能性があります。



6条⑹ 小臀筋タイプ
小臀筋は、中臀筋と同様に、主として足を外側に開く働きをする筋肉です。
小臀筋の前方部位に生じたトリガーポイントは臀部の下外側半分~大腿~膝~足首外側にかけて、小臀筋の後方部位に生じたトリガーポイントは、臀部の大部分~大腿~ふくらはぎ後面にかけて痛みやしびれを起こします。
臀部から下肢にわたって痛みや痺れを起こすことから、座骨神経痛と誤診されることが多い障害です。
股関節が痛んで歩けなかったり、患部を下にすると鋭い痛みを感じたり、寝返りを打つと睡眠が妨げられることがあります。
通常は、単独で障害を受けることは少なく、小殿筋にトリガーポイントが生じている場合には中臀筋や腰方形筋等を同時に確認するのが賢明です。
小臀筋
(触診)
小臀筋は、上記のイラストを参考にして、トリガーポイントの位置を身体の中心に向けて強く押すと痛みが生じます。
下図のように、ご家族・友人に指又は麺棒等で周辺をくまなく優しく押して貰うのがよいでしょう。
また、仰向けに寝て硬式テニスボール等を腰の下に置き、体重をかけて押し当ててみると良いでしょう。
(下の図では、施術者の左手親指が大腿の付け根付近で最も骨が側面に突き出している部分(大腿骨頭)に当てられていますので、触診の時の参考にして下さい。)
小臀筋触診
トリガーポイントのない人は、通常強い痛みを感じることはありません。
強い痛みを感じる場合にはトリガーポイントがあり、腰痛の原因となっている可能性があります。




6条⑺ 深部脊柱起立筋タイプ
深部脊柱起立筋は、脊柱の脇の深部にあって背骨を強く支えている筋肉です。
骨あるいは骨のすぐ近くに深刻な痛みを感じさせ、身体の側屈、回旋、背屈に制約を受け、腹部前部にも痛みを起こすこともあります。
また、疼痛、足の痺れ、だるさ、背部の緊張、尾骨の痛覚過敏、仙骨の鋭い痛みなど極めて多様な症状を呈することがあります。 
深部脊柱起立筋
(触診)
脊柱のすぐ脇のかすかに窪んだ部分の深部にあり、左の図のように、ご家族・友人に押して貰うのがよいでしょう。また、右の図のように、テニスボール等を背中に敷き、体重をかけて押し当ててみると良いでしょう。
この際、手を臀部の下に置くと、体重をコントロールしやすくなります。
脊椎に触れた時に骨が痛むように感じる場合には、その周辺の深部筋にトリガーポイントがあることが多いと言えます。
深部筋触診




6条⑻ 脊柱起立筋タイプ
脊柱起立筋は、所謂「背筋」と呼ばれる筋肉で、主に背中を反らす働きをします。
脊柱起立筋に生じたトリガーポイントは、「背部」「臀部」「腹部」の痛みを起こし、背骨の運動や動きを制限し、立った姿勢から身体を前屈できないことがあります。
比較的外側にある筋肉は、痛みを中臀部に集中的に送って「腰痛症」と言わたり、身体前面または内臓に送って内臓疾患に間違われることがあります。
比較的内側にある筋肉は、痛みは臀部の下部へ強く表れることがあります。
脊柱起立筋
(触診)
左の図のように、ご家族・友人に背中をくまなく押して貰うのがよいでしょう。
また、右の図のように、テニスボール等を背中に敷き、体重をかけて押し当ててみると良いでしょう。
この際、手を臀部の下に置くと、体重をコントロールしやすくなります。
脊柱起立筋触診



第7条 セルフケアーを知る。
第6条までをお読み頂いた皆さんは、ご自身の腰痛の原因(タイプ別)をご理解頂けたことと思います。
本条では、いよいよご自身の腰痛を軽減するためのセルフケアーをお伝えします。
忍者2
専門家によるトリガーポイント治療が最高の治療法であることに疑いの余地はありません。
有能な治療家であれば、皆さんの症状から罹患筋並びにトリガーポイントの連鎖を明らかにしてくれるでしょうし、必要な施術とともにご自身で腰痛をコントロールできるように個々の体質や症状に応じたセルフケアー要領も的確に指導してくれる筈です。
皆さんと信頼できる治療家が力を合わせて、改善に向けて取り組むことが最も効果的かつ効率的です。

しかし、トリガーポイント療法を適切に行うことのできる病院や整体院は本当に少ないですから、次善の策としてご自身の腰痛の原因とセルフケアーを知って改善に向けてチャレンジすることは極めて大切なことと言えます。

セルフケアーには大きく分けて、「改善措置」と「セルフエクササイズ」があります。
皆さんの身体にトリガーポイントが生じてしまったとすれば、そこには生理的要因、構造的要因、姿勢上のストレス、筋への過負荷、筋の持続的な緊張、長時間の筋の短縮又は伸展状態などの要因がある筈です。
生活全般を通じてトリガーポイントが生じた原因や永続化している原因を特定し、これを取り除こうとする試みを「改善措置」と称しています。

セルフエクササイズは、体質改善やトリガーポイントの沈静化のために行うエクササイズであり、筋膜連鎖、内蔵機能、リンパ停滞に係る措置等を網羅した全身のエクササイズとトリガーポイントの沈静化を目的とする局所的なエクササイズがあります。

「改善措置」や「全身のエクササイズ」は、別途お伝えすることとして、ここではトリガーポイントの沈静化を目的としてトリガーポイント療法研究会が準備している百数十種類に及ぶセルフエクササイズの中から、腰痛のタイプに応じた虚血圧迫法とカウンターストレイン法をお伝えしたいと思います。



7条⑴ 虚血圧迫法
〇 概要
虚血圧迫法は、基本的には全ての部位に適用できる最もベイシックな治療法です。
トリガーポイントでは血流が滞っています。虚血圧迫法は、テニスボール等を利用して触診で確認したトリガーポイントを押圧し一定時間血流を遮断した後に解放することによって、トリガーポイントに新しい血液を流入させると同時に滞っていた老廃物を洗い流し、トリガーポイントを不活性化する方法です。
1回の施術で劇的な改善とはいきませんが、圧迫する場所を間違えたり、やり過ぎたりしない限り、紙を一枚一枚重ねていくように着実に効果が得られる方法です。

下の左側の図は硬式テニスボールです。安価にして極めて優れた虚血圧迫用マッサージ器具と言って良いでしょう。ミカンネットやストッキング等を利用すればコントロールし易く、部位によっては2個まとめて使用することもできます。  
右側の図は、「セラケイン」というテコの原理を応用したトリガーポイント治療用の押圧器具です。アマゾン通販を利用して4800円で購入しました。
些少高価にはなりますが、腰痛だけではなく、肩凝りなど他の部位についても幅広く活用したいと思われる方にはお薦めです。
テニスボールとセラケイン
〇 実施要領
 ・ 罹患筋のみではなく、できる限り全身がリラックスできる姿勢とします。
 ・ エクササイズ前に深呼吸を行い、緊張を緩和します。
 ・ 硬式テニスボール等を利用して、トリガーポイント(押して痛い部分)を10秒程度圧迫します。
 ・ 圧迫の強さは、心地よい痛みを感じる程度にとどめます。
 ・ 10秒程度圧迫した後に5秒程度解放し、これを繰り返します。
   一度に行う押圧・解放は10回以内とし、一日の合計は50回以内(この方法に慣れれば100回以内)にとどめます。
  やり過ぎは、トリガーポイントを却って刺激し活性化させてしまうので厳禁です。
 ・ エクササイズを終了した後に、深呼吸を行い、可動域の範囲内でゆっくり無理なく罹患筋を数回動かします。
   (エクササイズの持続効果を高めます。) 
 ・ エクササイズ後の入浴、保温は効果を高めます。
   エクササイズ実施後に数時間にわたって痛みを感じる場合には、エクササイズの実施要領が不適切か他の罹患筋    が影響している可能性がありますので、エクササイズを中止して下さい。
 ・  一生懸命にやればやるほど成果が上がると考えがちですが、エクササイズはトリガーポイントをねじ伏せるもので    はなくて、自己治癒力を引き出すものですから、ご自身の自己治癒力を信頼して決して無理をしないで下さい。
 ・ セルフエクササイズが失敗する原因のほとんどは、罹患筋を間違えているか、あるいはやり過ぎているかのどちらかで  す。




7条⑵ カウンターストレイン法
〇 概要

筋を適切に弛緩させた状態を約90秒間維持することによって脳に筋肉が弛緩した状態を認識させ、受容器の感度を再設定させて筋肉を自律的に緩めます。
不思議に思われるでしょうが、注意事項を守って筋肉を適切に弛緩させることができれば極めて大きな効果を発揮します。
筋肉によっては、文章と写真で説明するだけでは必要な姿勢を理解するのが難しいものがありますので、その場合には虚血圧迫法を行います。

○ 実施要領
・ 罹患筋のみではなく、できる限り全身がリラックスできる姿勢とします。
・ エクササイズ前に深呼吸を行い、緊張を緩和します。
・ 筋肉毎に示す姿勢を90秒間維持します。
エクササイズ中に罹患筋に決して力を入れてはいけません。
エクササイズ後に元の姿勢に戻す時には、腕の力を利用するなど、罹患筋に力を入れることなくゆっくり戻します。最初の30度ぐらいは特にゆっくりと、ミリ単位で戻すイメージでゆっくりと戻します。
・ エクササイズを終了した後に、深呼吸を行い、可動域の範囲内でゆっくり無理なく罹患筋を数回動かします。(エクササイズの持続効果を高めます。) 
・ エクササイズ後の入浴、保温は効果を高めます。
エクササイズ実施後に数時間にわたって痛みを感じる場合には、エクササイズの実施要領が不適切か他の罹患筋が影響している可能性がありますので、エクササイズを中止して下さい。
・ 1~3日に1回実施します。
  (エクササイズ後も自己治癒力が働き筋肉を修復するのに3日ほど要しますので、基本的には3日に1回で十分です。
ただし、行った後で効果が明確でない場合には、その直後に続けて2、3回繰り返して実施しても構いません。)
・ 実施する時間は、副交感神経が優越する就寝前に行うのが効果的です。



7条⑶ タイプ別のセルフケアー実施要領
皆さんは6条の方法によって、ご自身の腰痛のタイプを見出されたと思います。
ここからは、そのタイプ別のセルフエクササイズをお伝えします。
まずは信じてやってみて下さい、皆さんの腰痛を治す道が拓けてきます。
複数のタイプに該当する場合には、各々のタイプに該当するセルフケアーを合わせて行って下さい。

〇 腸腰筋タイプ
カウンターストレイン法を用います。
胡座をかいて背筋を軽く伸ばしてリラックスして座り、ゆっくりと深呼吸します。
下図のように、上半身を罹患筋側の斜め前方に倒し両手で支え、全身の力、特に腹部の力を抜いて約90秒間維持します。(数分になっても構いません。)。
前屈は無理なくできる範囲でとどめ、腕を伸ばして支えて構いません。
セルフ(腸腰筋2)
(上図は、右側の腸腰筋にトリガーポイントが存在する場合の姿勢を示しています。)
約90秒間(数分になっても構いません。)経過したら、腕の力を使って腹部に力をいれないようにゆっくりと上半身を起こし、胡座をかいてリラックスして座り、ゆっくりと深呼吸します。
姿勢を戻す際に最初の30度は特にゆっくりと、ミリ単位で戻すイメージでゆっくりと戻します。
要すれば反対側も行います。

もし、ご家族や友人の手助けが得られるならば、下の図のように胡座をかいた脚を持ち上げて患側にややねじり、この姿勢を90秒間維持します。脚を持ち上げて維持するのに、バランスボールや椅子等を利用するのもいいでしょう。
この際に、6条の要領で触診しながら、脚の前後とねじりを調整し、トリガーポイントを押している痛みが消えるかあるいは最も少なくなる姿勢を見出すことができれば、極めて効果的なエクササイズとなります。
チャレンジしてみて下さい。
腸腰筋治療
(上図は、右側の腸腰筋にトリガーポイントが存在する場合の姿勢を示しています。)



〇 腹直筋タイプ
カウンターストレイン法を用います。
楽な姿勢でリラックスして正座し、ゆっくりと深呼吸します。
下図のように、上半身を罹患筋と反対側の斜め前方に倒し両手で支え、全身の力、特に腹部の力を抜いて約90秒間維持します。(数分になっても構いません。)
前屈は無理なくできる範囲でとどめ、腕を伸ばして支えて構いません。
また、斜め前方に倒すのが苦しい場合には、真っ直ぐに倒しても構いません。
セルフ(腹直筋2)
約90秒間(数分になっても構いません。)経過したら、腕の力を使って腹部に力をいれないようにゆっくりと上半身を起こし、楽な姿勢でリラックスして正座し、ゆっくりと深呼吸します。
姿勢を戻す際に最初の30度は特にゆっくりと、ミリ単位で戻すイメージでゆっくりと戻します。
要すれば反対側も行います。

もし、ご家族や友人の手助けが得られるならば、下の図のように脚を持ち上げて患側にややねじり、この姿勢を90秒間維持します。脚を持ち上げて維持するのに、バランスボールや椅子等を利用するのもいいでしょう。
この際に、6条の要領で触診しながら、脚の前後とねじりを調整し、トリガーポイントを押している痛みが消えるかあるいは最も少なくなる姿勢を見出すことができれば、極めて効果的なエクササイズとなります。
チャレンジしてみて下さい。
腹筋治療
(上図は、左の図が左側の腹筋のエクササイズ、右の図がバランスボールを活用した右側の腹筋のエクササイズを示しています。)



○ 梨状筋タイプ
カウンターストレイン法を用います。
楽な姿勢でうつ伏せに寝て、ゆっくりと深呼吸します。
下図のように、罹患筋側の脚を頭部の方に引き寄せ無理のない範囲で約60~90度開き、骨盤を自然に軽く沈めるように意識しながら、全身の力、特に臀部の力を抜いて約90秒間維持します。(数分になっても構いません。)
脚の開きは無理なくできる範囲にとどめます。
セルフ梨状筋
約90秒間(数分になっても構いません。)経過したら、腕を使って膝を押し下げるなど、臀部に力を入れないようにゆっくりと脚を伸ばし、ゆっくりと深呼吸します。
姿勢を戻す際に最初の30度は特にゆっくりと、ミリ単位で戻すイメージでゆっくりと戻します。
要すれば反対側も行います。

もし、ご家族や友人の手助けが得られるならば、下の図のように脚を外側に無理なくねじり(脚を伸ばしたまま、つま先を外側に向けるイメージ)、この姿勢を90秒間維持します。セルフエクササイズと姿勢が違うようですが大丈夫です、共に梨状筋を緩める姿勢になっています。
チャレンジしてみて下さい。
梨状筋治療
(上図は、右側の梨状筋のエクササイズを示しています。)

梨状筋の場合には、身体の柔軟性等によって効果が現れ難い場合があり、その場合には次の項目に示す虚血圧迫法を併用すると良いでしょう。



○ 梨状筋タイプ、腰方形筋タイプ、中臀筋タイプ、小臀筋タイプ、深部脊柱起立筋タイプ、脊柱起立筋タイプ
これらの筋についても各々カウンターストレインによるセルフケアー法もあるのですが、お一人で最初から適切な姿勢をとるのは比較的難しく、ここでは最も簡便かつ確実な虚血圧迫法をお伝えします。
虚血圧迫法を覚えて頂くと、身体の他の部位の痛みにも応用ができるようになります。是非チャレンジして下さい。

硬式のテニスボール1個を用意します。
(硬式テニスボールは、セルフエクササイズにはちょうど良い大きさと硬さです。)
楽な姿勢で仰向けに寝て、ゆっくりと深呼吸します。
床の上にテニスボールを置いて、触診で見出した押して痛い部位(トリガーポイント)にテニスボールを当て、 身体の傾き、脚の位置等を調整して心地よい程度にテニスボールに体重をかけて、10秒間その姿勢を維持します。
10秒たったら、身体の傾き、脚の位置等を調整して体重がテニスボールにかからないようにして、5秒間その姿勢を維持します。
上記を繰り返します。
一度に行う押圧は10回以内とし、一日の合計は50回以内(この方法に慣れれば100回以内)にとどめます。

押して痛みところがトリガーポイントですから、心地よい痛みを感じる程度の強さで、回数の制限を守りつつ、痛むところを片っ端から圧迫する積りで行えばよいでしょう。自分自身に合った姿勢や体重のかけ方を工夫してみて下さい。

また、仰向けに寝て行うのが強すぎるようでしたが、立った姿勢で壁との身体の間にテニスボールを挟み、壁に寄りかかって体重をかけるのも効果的ですし、触診の姿勢を参考にしながら、横向きや俯せになってご家族や友人にテニスボールで押圧してもらうのもいいでしょう。





追記 治療院や整体院を選ぶ。
 第1条から第7条までお読み頂き有り難うございました。
この7箇条をもって、ご自身で行う腰痛の改善法についてお伝えすることが、何とかできたものと思います。
しかし、専門家によるトリガーポイント治療が最高の治療法であることに疑いの余地はなく、トリガーポイント療法を適切に行うことのできる病院や整体院は本当に少ないのですが、可能な限り専門家と共に腰痛治療に取り組んで頂きたいと思います。
ここでは、追記として、皆さんが治療院や整体院を選ぶ際のポイントとなる事項を簡単にお伝えしたいと思います。
治療院や整体院にはトリガーポイント療法とは名ばかりの偽物も多く存在しますので、治療院や整体院を選ぶ時には厳選されることをお薦めします
その際のポイントとなるのは、主に次の2点でしょう。

〇 腰痛の原因とトリガーポイント療法について適切に説明してくれる整体院等を選ぶ。
トリガーポイント療法は、記憶にのみに頼り、あるいは勘に任せて施術すべきものでも、出来るものでもありません。もちろん熟練の手技は必要ですが、常にマニュアルを確認しながら確実に原因を探求する姿勢こそが最も大切なものです。
トリガーポイントと関連痛や様々な症状を具体的に示したマニュアル等を準備しており、資料等を提示しながら腰痛の原因と改善の方向・見込み等を具体的かつ明確に説明してくれる整体院等であれば、まず安心して療法を受けられて良いと思います。

〇 セルフケアーを指導してくれる整体院等を選ぶ。
トリガーポイントは有能な治療家であれば比較的短期間のうちに沈静化することはできますが、トリガーポイントを一度沈静化すれば、何もしなくても永久に再発する可能性がないのかと言えば、残念ながらそれは違います。
筋肉に過負荷がかかったりした場合に、トリガーポイントが再び頭をもたげてくることはあり得るのです。
その場合であっても、皆さんご自身がセルフケアーを身に付けておられれば腰痛が再発する前に簡単に沈静化することができますし、治療に要する時間的・経済的負担を最小限にすることもできます。
そうして沈静化した状態を維持し、筋肉を適切にトレーニングすることによって再発しない身体を作り上げていくこともできるのです。
皆さんご自身がトリガーポイントをコントロールできるようになって、初めて腰痛から完全に解放される、そこまでが本当の治療と考えるべきなのです。


(寄り道 これからどうしよう?)
「腰痛は必ず治る:痛み解消のための7箇条」を読み進めて頂き、有り難うございました。
腰痛の正体と改善方法を知って頂き、少しでも腰痛でお悩みの方々のお役に立てたとしたら、これほど嬉しいことはありません。
さて、当初の目標とするところまで来たわけですが、これからこのブログで何をお伝えすれば皆さんのお役に立てるのか迷っております。
「内容が複雑なので簡単に教えろ。」というお声があります、また、「解りやすいように具体的な事例を知りたい。」というご要望や「腰痛だけではなく肩凝り、膝痛などについても教えろ。」というご指摘もあります。
そのお声の全てにお答えしたいと思いますが、ブログの趣旨からして、腰痛の治療についてよりご理解頂くために、まずは、これまでの症例と改善の過程をお伝えしたいと考えます。
実例の中から、自分の痛みや症状と似ていると考えられるものがあるかも知れません。
これ以外に何かご要望がありましたらお聞かせ頂きたいと思います。
また、腰痛以外の慢性痛については、トリガーポイント療法研究会ひじりボディーケアーのホームページにも簡潔に記載されておりますので、ご参照下さい。
   
また、腰痛に関連して、我が国の医療等に関して考えるところもお伝えしたいと思いますし、いずれは触診やセルフケアー法について理解し易いように動画で配信したいとも考えております。



(症例:背骨脇の縦に走る痛みが下半身に波及)
50歳台 女性 主婦
症状:15年前に脊椎の右脇に立てに走るような痛みと鼠径部の痛みを発症。
症状は周期的に痛みが強弱を繰り返しながら強まり、右臀部、右膝に拡大し、右脚の後面が痺れだす。
整形外科に受診して脊柱狭窄症と診断、放置すれば歩けなくなると言われ、3年前に脊柱をボルト8本で固定する手術を受ける。
以後腰痛は強くなり、最近はベッドから離れられない状態となり、御主人に付き添われて来院。

原因:右の大腰筋と腸骨筋に生じたトリガーポイントが背骨の脇と鼠径部に関連痛を起こし、次いで腰方形筋、小臀筋に波及して臀部の痛みと脚のしびれを起こし、内転筋に波及して膝の痛みを起こしたものと推定。

施術:7回の通院。
大腰筋、腸骨筋、腰方形筋、小臀筋、内転筋の施術とセルフケアーで全ての痛みは解消した。
  

要点:腹部の奥深くの筋にトリガーポイントが生じ、下半身に波及する典型的な腰痛のパターンでした。
トリガーポイント療法では、決して配慮を欠かさない腰痛のパターンです。
整形外科医の診断を評価できるものではありませんし、放置すれば本当に歩けなくなったのかも知れません。
しかし、手術しなくても腰痛が解消できたこと、最後の施術ではお一人で自転車で来院されたのは間違いのない事実です。
同じ症状でも、早期にトリガーポイントを緩めるだけで、症状が波及することもなく、簡単に痛みが解消した事例は枚挙に暇がありません。
これで、脊柱管狭窄症で神経を圧迫したから脚に痛みやしびれが発生したと本当に言えるのでしょうか。
「放置すれば歩けなくなる。」、その言葉は慢性痛に悩む患者にとって、刃物のように鋭い凶器や脅しにもなり得ます、慎重であって欲しいものです。
皆さんは如何に考えられますか?
脊柱管狭窄症TP


(寄り道:誤診)
 腰痛の改善について、お話してきましたが、国民の健康にとって痛みに関する誤診は最大の問題の一つであることは間違いありません。
 医療従事者が、筋筋膜性疼痛症候群(トリガーポイント)や線維筋痛症などを認識してさえいれば完全に防げる誤診です。
筋筋膜性等痛症候群を世に明らかにしたトラベル博士が、最も心配されたことの一つが、この誤診の問題でした。
トリガーポイントによる関連痛は、他の疾患の症候とよく似ていることが多く、また「椎甲板ヘルニア」のように関連痛を説明するために確たる根拠もなく無理に造り出された疾患もあって、筋肉に関する教育が適切に実施されていない現状では、医師ですら痛みの原因が筋痛であることに思いが至らず、誤診を繰り返していることを憂慮していたのです。
ケネディ元米国大統領でさえ、誤診による手術で苦しんだのですから。
ヘルニアの手術を熱烈に主導した米国のマイアミ大学自体がヘルニアの手術を取り止めて厳格なリハビリプログラムを採用しているというのに、我が国では、未だに筋痛の概念がなく、医師は相変わらず誤診に基づく手術を行い、痛みの根本的な治療をしないまま鎮痛剤で誤魔化し、その間に慢性痛を悪化させている。
また、医師すら間違えているのですから仕方ないのですが、多くの国民はトリガーポイントの概念に対して懐疑的であり、得たいの知れない怪しい医療だと軽視する傾向が強くあります。
そして、民間療法が唯一の救いともなっているのに関わらず、トリガーポイント療法とは名ばかりの偽物治療家が横行し、誤解を更に深刻なものにしています。
このような状況では、医師や医療従事者が、トリガーポイント治療が正当な痛み治療だと認識するにはまだ多くの時間を要するでしょう。
その背景には、考えたくもないことではありますが、トリガーポイント療法は「医者いらず、薬いらず」、利益に結びつかないということもあるのかも知れません。
しかし、それでは、適切な手当がなされずに、慢性痛のために人生を暗転させてしまう方が後を絶ちません。
幸いにして皆さんはこのブログを訪問頂きましたが、こうして直接皆さんに筋痛の実態をお伝えすることが重要な意義のあることと思えます。
皆さんご自身のために、お願いがあります。
最初から、安くはない施術費を払って整体院に行くのも抵抗があるかも知れませんので、是非セルフケアーを試して下さい、家族や友人に試して差し上げて下さい。
そうすれば全てではなくても、トリガーポイントの真実を感じることができますし、慢性痛の本当の原因を納得できる筈です。
ほんの少しの努力で皆さん自身の人生が変わります。
一言の嘘もありません、是非、是非、試して、ご自分で真実を見つめて下さい。
そして納得して頂けたならば、同じように腰痛で苦しんでいる方に、筋肉の起こす痛みを確認してみるようにお伝え下さい。


(症例:仙骨周辺の鋭い痛みから臀部、脚へと波及)
60歳台 男性 会社員
症状:30年前にテニス中にぎっくり腰(仙骨付近の痛み)を発症。
約20年前、長距離運転時に同じ仙骨付近に痛み発症し、それ以降繰し返し腰痛に襲われ前屈するのが辛い。
数年前から骨盤の右上部付近が痛み出だし、時々右足の外側が痺れる。
最近は朝そのまま起き上がることができず、一度横向きになってから起き上がる。また、前屈すると身体が固まりそうに感じる。
車や電車に長時間座れず、好きなドライブ、旅行も諦めた。
整形外科、整体院を巡り、椎間板ヘルニアと診断されたが、整形外科で指導された腰のストレッチをすると更に悪化するように感じて来院。

原因:深部脊柱起立筋のトリガーポイントが仙骨付近に関連痛を起こし、やがて腰方形筋、次に小臀筋に波及したものと推定。

施術:一週間毎に6回の通院。
深部脊柱起立筋カウンターストレイン、腰方形筋PIR、小臀筋カウンターリリース等にセルフケアーで改善、痛みは全て解消した。   

要点:深部の脊柱起立筋が障害を受けることは多く、周辺の筋肉に広範囲の影響を及ぼします。
この方の場合には、30年前のテニスで腰を捻った際に痛めたものと推測されますが、早い時期にトリガーポイント療法を受けていれば、1~2回の施術で簡単に痛みは解消していた筈です。
深部の脊柱起立筋が障害を受けている時に、前屈のストレッチはトリガーポイントを過敏にさせ症状が悪化する可能性があります。
腰部深部筋TP


(症例:脇腹の下から臀部に広がる重苦しい痛み)
50歳台 男性 会社員
症状:健康維持のために10年前から傾斜のある海岸をウォーキング。
5年前に徐々に腰が痛みだし、歩くのが辛くなってウォーキングも止めた。
最近は左腹部、仙骨周辺、左臀部、左下肢と痛みが広がって歩行が困難となり、股関節が痛くて仰向きで寝ることができない。
10分以上連続して歩けない状態、立位では左腰を前に突き出し身体を後ろに反らせるような姿勢となっている。
多数の整形外科、整体院、鍼等に受診するも改善せず、座骨神経痛と診断されていたが手術することなく来院。

原因:左の腰方形筋のトリガーポイントが左腹部と臀部に関連痛を起こし、やがて中臀筋、小臀筋に波及したものと推定。

施術:1~2週間毎に7回の通院
腰方形筋PIR、中小臀筋カウンターリリース等とセルフケアーで改善、痛みは全て解消した。
3ヶ月後、無理が重なり、腰が重く腰痛発症前の状況と似ていることから再度来院、1回のメンテナンスによって腰の重さは解消した。
  
要点:斜めに傾斜した海岸を長期間歩くことによって、姿勢維持筋である腰方形筋に負担がかかってトリガーポイントを生じさせたものと推測されます。
立位の姿勢が明らかに歪んでいるほどの重篤な症状ではありましたが、治療自体は決して難しいものではなく、トリガーポイント療法ではほとんど間違いなく改善が可能なケースでした。
過去の相当数の整形外科等を巡られていましたが、原因が解らないままに施術をしても効果が得られないのは当然のことです。
腰方形筋、中小臀筋TP


(症例:鼠径部から膝の痛み、脊柱脇、臀部、脚へと波及する痛み)
30歳台 女性 民間療法職員
症状:20年ほど前に交通事故に遇い、右股関節を痛めてしばらく歩けない状況。
15年ほど前から、右股関節が痛みだし膝まで波及。
職業柄前屈みの姿勢が多く、徐々に腰痛を発症し、数年後には仙骨、右の骨盤、臀部、足の側面に痛みが発症した。
また、右腹部に痛みを感じる時がある。
整体院で定期的に長期間施術を受けるも改善せずに来院。
   
原因:右の内転筋にトリガーポイントが生じて右鼠径部から膝まで関連痛を起こし、やがて大腰筋、中臀筋、小臀筋に波及したものと推定。

施術:1週間毎に7回の通院
腸腰筋カウンターリリース、中小臀筋カンターリリース等で改善。
  
要点:交通事故で内転筋を痛めたのが原因でトリガーポイントが生じ、鼠径部と膝等に関連痛を起こし、その痛みを緩和しようとして身体に歪みが生じ、大腰筋、中臀筋、小臀筋にトリガーポイントを生じさせたものと推測されます。
   交通事故ではどのような姿勢でダメージを受けたとしても内転筋を痛めることが極めて多くあります。
また、若い頃の事故であれば5、6年後に慢性痛として発症することも多いのです。
過去に強い衝撃を受けた経験がある方は、注意しておく必要があります。
発端は内転筋ですが、連鎖の中核となっているのは大腰筋と考えられました。
民間療法の職員として知識も経験もあって、同僚のケアーを受けておられましたが、一般的なマッサージやストレッチではトリガーポイントを沈静化することはできません。
内転筋派生TP


(症例:仙骨脇の痛み)
50歳台 男性
症状:15年前から腰痛(仙骨の右脇が痛む)を繰り返し発症。
   整形外科、整体院等に通院したが、原因が全く解らず。
朝、急に何時も感じていた仙骨脇に激しい痛みが起こり、歩く度に激痛が走しり、杖を突きながら来院。

原因:従来から生じていた右ふくらはぎのトリガーポイントが急に活性化し、仙骨右脇に鋭い関連痛を起こしたものと推定。

施術:2回のヒラメ筋のカウンターストレインで痛みは解消、従来の腰痛も改善された。

  
要点:ふくらはぎの筋肉に生じたトリガーポイントは、ごく希に仙骨周辺に鋭い関連痛を起こします。
施術自体は簡単でしたが、痛みを感じる部位と罹患部位が全く離れていることもあって、トリガーポイントと関連痛に関する豊富な知識がなければ、罹患筋の特定が難しいケースでした。
何故ふくらはぎの施術で痛みが消えるのか、「そういえば腰痛の時には何時もふくらはぎに違和感があった。」と、一番驚かれたのはご本人のようでした。
ヒラメ筋TP


(症例:背骨脇の縦に走る痛み)
30歳台 男性 会社員
症状:5~6年前から脊椎の左脇に立てに走るような痛みを発症し、以後周期的に痛みが強弱を繰り返す。
疲れが溜まり痛みが増した時には、朝起きるのが辛く横になってからしか起き上がれない。
整形外科、整体院等に通院したが、原因が全く解らず。

原因:左の大腰筋と腸骨筋に生じたトリガーポイントが背骨の脇に関連痛を起こしたものと推定。

施術:1回の大腰筋、腸骨筋のカウンターリリースとセルフケアーで痛みは解消した。
  
要点:パソコンに向かう時間が長く、腹部を短縮状態に長く置いたことから大腰筋と腸骨筋にトリガーポイントが生じたものです。
腹部の奥深くにある大腰筋と腸骨筋にトリガーポイントが生じ、背部に関連痛を送る典型的な腰痛のパターンといって良いでしょう。
簡単に改善できましたが、その他の部位に波及する以前に施術できたのが幸いでした。早期に痛みを取り除くのは大切なことです。
腹部を注意深く触診すれば簡単にトリガーポイントを特定できますし、施術も決して難しくはありません。
腹部の手当をしない腰痛治療はあり得ないと、改めて筋痛を知らない医療関係者の多いことに憤りを感じさせるケースでした。
腸腰筋TP


(症例:お腹が「くすぐったい」、その陰に腰痛)
20歳台 女性 擁護関係職員
症状:7~8年までから右半身の腰痛(腰骨周辺、仙骨付近に痛み)及び脚の後面にしびれが発症、2年ほど経過して右半身の上背部の張り、肩凝り、首の痛みが発症し。
整体院に定期的に通院したが改善せずに来院。

原因:右の大腰筋と腸骨筋に生じたトリガーポイントが背骨の脇に関連痛を起こし、腰方形筋、小臀筋に波及して臀部の痛みと脚のしびれを起こしたものと推定。
また、大腰筋と腸骨筋の緊張が骨盤を前傾させ、猫背の姿勢を強調して上背部の張り、肩凝り、首の痛みを誘発したものと推定。

施術:当初、腹部に触れると極度にくすぐったがり、施術できない状況。
腹部の軽擦等によって感受性を緩和し、6回のトリガーポイント療法によって全ての痛みとしびれが解消。
  
要点:当初は、極度にくすぐったがり腹部に触れられない状態でしたが、腹部に障害を抱える人が痛みに対する防御反応としてくすぐったがることがあります。
この方の場合にも、ご本人の手を借りて腹部を押さえると鋭い圧痛があり、ご本人がその痛みの強さに驚いて施術が必要であることを納得されてから、徐々に施術が可能となりました。
また、腹部の深部にある筋肉の張りが、身体のバランスを崩して上背部の緊張をもたらし、上背部、肩、首にトリガーポイントを生じさせることも多くあります。
この場合には、腹部の筋肉を緩めない限り、背部の緊張、肩凝り、首の痛み等を根本的に解決することはできません。
皆さんの中でも、同じようなことはないでしょうか。
くすぐったいのは防御反応かも知れませんし、猫背などの上背部の障害の原因が腹部にあるのかも知れません。
腹部過敏症


(症例:腰痛と共に生理痛と下痢が解消)
30歳台 女性 会社員
症状:10年ほど前から腰痛(背中の骨盤あたり広がる痛み)を発症。
整体院に定期的に通院したが改善せずに来院。

原因:腹直筋にトリガーポイントが生じて腰部に関連痛を起こしたものと推定。
  
施術:5回の通院。
腹直筋のカウンターストとPIRにより腰痛が解消すると共に、激しかった生理痛と下痢が改善。
  
要点:施術自体は難しいものではありませんでした。
腹部を触診すると硬く極めて強い圧痛がありました。
初回の施術時には好転反応が強く、その夜半に腹痛を訴える状況でしたが、三回目からは好転反応もなくなり順調に腰痛は改善しました。
ご本人が腰痛の改善以上に喜ばれたのは、毎月寝込むほどの辛い生理痛だったのが施術の翌月には気付かないうちに始まり、毎日の下痢が治まったことでした。
お腹の筋肉を意識することは少ないと思いますが、お腹の筋肉のトリガーポイントは極めて広範囲の様々な症状を起こします。
特に女性の場合には影響が大きく、この方の生理痛と下痢の症状は、明らかに腹直筋下部のトリガーポイントが引き起こしたものでした。
生理痛


スポンサーサイト
プロフィール

トリガーセラピー

Author:トリガーセラピー
飛狸(ニックネーム)60歳
現住所:東京都

トリガーポイント療法研究会主催者
トリガーポイント療法講師
医療整体講師

経歴等:15年間、自衛隊のパイロットとして大空を駆け巡り、自衛隊の勤務を終えた後は、都内の医療整体学院において整体法の研鑽並びに整体師の育成に努める。

その間、慢性痛治療に係る医学・心理学の研究を通して、故ジョン・F・ケネディ大統領の主治医であったトラベル博士の「筋筋膜痛症候群(トリガーポイント)」の理論の深淵に触れ、筋肉の障害に取り組まない我が国の医学界の過誤に深い憤りを覚えるとともに、多くの慢性痛患者を救うためにトリガーポイント療法の研究と普及を志す。

その後、トリガーポイント研究所の佐藤恒士所長の指導を得てトリガーポイント療法を磨き、現在はトリガーポイント療法研究会を主催して550㌻に及ぶ「トリガーポイント療法マニュアル」を作成、会員20名と共にトリガーポイント療法の充実と普及に取り組んでいる。

トリガーポイント療法研究会活動拠点
ひじりボディーケアー
住 所:〒340-0002 埼玉県草加市青柳5-22-28 スーパーベルクス2階
フリーダイヤル:0120-358-760(携帯からもOK)
にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログへ
にほんブログ村

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。